原子力機構 研究炉 台風で倒壊 / 解説 瀬戸の風
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 大洗研究所の材料試験炉JMTRの冷却塔が倒壊したのが9月9日(月)7時40分頃。
その様子が、規制委員会への報告書(第2報)で明らかになった。 参照2
倒壊前の冷却塔

外観からは構造がキャシャかどうかは分からない。
アスベストも使われていたという。
倒壊後の様子

この写真が一番分かる。
白い部分はFRP製で4基の排気扇(冷却塔フアン)もやり替えたと。
それにしても、
あっけなく倒壊。
ぺったんこ。
設計では倒れないことになっていると言っても、
倒れましたでは済まない。
当時の「最新の知見」で作られた。
「最新の知見」なんていい加減だ。
今でもそうだが。
言い訳は
「内規では求められていなかった。」
定めのないものは知らん。という訳だ。
核プラントが安全だなんて、
定められた範囲内のこと。
それ以外は安全はわけない。。
・・
■当初の状況
倒壊 19年9月9日 6時~7時40分頃の間 参照1
風速 6:50~7:10
地上高10m 30.9 m/s 最大瞬間風速
地上高40m 44.5 m/s 最大瞬間風速
運転 平成18年8月原子炉運転停止
燃料は装荷されていない。
廃炉予定。
最大瞬間風速 30.9 m/s 10mに耐えないのなら、
竜巻に合えば、イチコロ。
■破損した二次冷却系配管

配管ピット内で立ち上がりT字分岐部で溶接線に沿って破断。
これだけ開口部がパックリ開いたら、
二次冷却水は直ぐに喪失する。
小柄な研究炉というが、
非常事態になる。
■冷却塔概略図 参照2

◯筋交い
第三セルの部分だけ断面図が掲載されている。
断面図では1筋だけ。
側面中心で対象に筋交いなのだろう。
他の3筋見えるが、これは階段と手すり。
側面外観図だから、階段を描いたものだ。
普通に、筋交いを入れたようだ。
特に地震に備えた筋交いの入れ方ではない。
X字の筋交いは採用されなかったか。
水平 荷重(風荷重)を構造部材のうち筋かいのみが負担の構造。
「冷却塔は、水平荷重(風荷重)である速度圧 q=200kgf/m2(最大瞬間風 速 63m/s 相当)に
耐えられるように設計されていた」と言うが、
この構造からは怪しいものだ。
◯ 材質
びっくりしたのが材質。
ダグラスファーとあるので何かと思いきや、
米松。
米松は安い。(ホームセンターに行けば分かる)
米松は和松に比べヤニが少ない。
ヒノキならこうはならなかった。

筋交いの材に割れがある。
材が朽ちている。
最近のものでない。
大きく縦割れが生じている。
(写真からは古い縦割れだ)
これが目視で分からないはずがない。
■検査記録 (一部抜粋)
◯ 施設定期検査記録 平成30年8月6日
外観検査 冷却塔 結果 良
詳細については、添付2「外観検査記録」参照のこと、
判定基準 冷却塔フアン、電動機及び冷却塔全体に、有害な傷、損傷のないこと、
判定 合格
◯ 検査前条件・検査手順確認シート 平成30年8月6日
検査手順確認 6項目 確認。
◯ 外観検査記録 平成30年8月6日
冷却塔全体 有害な傷、損傷の有無 無 結果 良
◯ JMTR 特定設備 巡視点検表(原子炉停止中)2019年9月8日(日)
6冷却塔本体 本体 気がかり事象 破損
有害な損傷、変形、錆なし 確認。
この巡回点検はなんと、倒壊の前日の点検である。
気がかり点検の対象事象が「損壊」とあるから
当然冷却塔の倒壊が気がかりだった。
なのに、結果は
「有害な損傷、変形、錆なし」だ。
見落とした。か
全く点検していなかったのどちらかだ。
「常陽」が直ぐ近くにある。
超最先端技術を扱うはずが、
機構のていたらく。
トンデモだ。
電力会社の運転する
商用原発に至っては、これ以下なのだろう。
お寒い限り。
危うい話。。
◯建築基準法
建屋の基準でつくられていない?
単なる木造構造物なのか。
◯同種の冷却塔がある。
JMTR施設のうち、「同種の冷却塔であるUCL系(二次冷却系)冷却塔に対して、健全性調査を開始した。」
「これらの対応 が完了するまでの間、台風等の強風の対策として行っている 4 方向からのワイヤーロープ
による固定は継続し、倒壊した場合の周辺への影響を軽減する」と。
調べてみた。(下の方に図があった)

倒壊した冷却塔と同じ設計だ。
場所はここ(グーグル地図)

Aは倒壊した冷却塔
Bが同種のUCL冷却塔
CはJMTR 原子炉
◯気になるもの見つけた。
Dは高架水槽
二次冷却水を賄う。
これが壊れても二次冷却系がアウト。
水槽の影で確認できる。
影の長さから高さ15mは優に超える。
しかも支柱は細い。(影から)
耐震強度はほとんどないだろう。
こんな危うい箇所があるなんて
びっくりだ。
改めて、
(当時の)最先端技術の危うさを見る。
参照1 https://www.jaea.go.jp/02/press2019/p19091901/s01.pdf
参照2 https://www.jaea.go.jp/02/press2019/p19122002/s01.pdf
注1)個人の感想です。
注2)F1は福島第一原発の略称。
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▼「100キロ圏外に避難不可能なら 原発再稼働認めるな」 余命わずか 放射線研究者の「遺言」/ 東京新聞
http://lituum.exblog.jp/25092914/
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-8 被爆死最悪1.8万人 原発攻撃被害 84年に極秘研究 反対運動恐れ公表せず/ 東京新聞
http://lituum.exblog.jp/24350088/
-7 東電の罪を問う 瀬戸の風
http://lituum.exblog.jp/18898290/
-6 黒い雨 4 http://lituum.exblog.jp/20802878/
-5 東京湾のセシュウム 6 /東京湾 セシウム沖合は低濃度 河口部汚染高止まり 千葉・花見川最大878ベクレル / 東京新聞
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-4 ガレキの広域処理 http://lituum.exblog.jp/i4
-3 2022までに脱原発 ドイツの決断 現地からのレポート
http://lituum.exblog.jp/18025076/
-2 染みだした核のごみ ドイツは失敗したか5 / 東京新聞
http://lituum.exblog.jp/22496486/
-1東京新聞 http://lituum.exblog.jp/i34/
0 東電社員達だけが飲んだ ヨウ素剤 証拠写真見つけた。
http://lituum.exblog.jp/17909501/
1. 東電は原発事故直後から作業員ら2000人にヨウ素剤,一方住民は。。
http://lituum.exblog.jp/17764554/
2. ラッセル・アインシュタイン宣言 一考察(原発の恐ろしさを思い知る。)
http://lituum.exblog.jp/19980944/
3.「科学者よ、声をあげよ」訴える故放射線専門家の妻 http://lituum.exblog.jp/18471961/
4.メルトダウンしていた米国初の原発 http://lituum.exblog.jp/19675969/
5. 上関原発,祝島に思う http://lituum.exblog.jp/18923860/
6.原発はもう無理 GEの発言 原文も https://lituum.exblog.jp/18757169/
7. アメリカ合衆国原子力規制委員会元委員長 原発産業は "GoingAway"
http://lituum.exblog.jp/21285539/
8. トリチウム 染色体異常を起こす 39年前の記事
http://lituum.exblog.jp/21437678/
9. 小泉元首相、安倍首相らの「原発ゼロは無責任」に反論 講演内容詳細
http://lituum.exblog.jp/21410321/
10. スリーマイル島からフクシマへの伝言
http://lituum.exblog.jp/19960375/
11. 福1原発はベントになぜ失敗したか 2 ラプチャーデスク
http://lituum.exblog.jp/19279826/
12. 米国最大の原子力発電会社元会長兼CEO「もうこれ以上、原子力発電を続けても良いことは無い」 フォーブズ
http://lituum.exblog.jp/21387047/
13. チェルノブイリから福島へ ノーベル文学賞・アレクシェービッチさんのメッセージ全文 /
http://lituum.exblog.jp/25016159/
14. 理系な子に育てる しろとり動物園 https://lituum.exblog.jp/28559060/
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by setonokaze | 2019-12-25 22:30 | 原子力機構

