伊方原発写真レポ 10月27日にも伊方原発3号機を起動させると言う。現地は今どうなっているのか先月の様子です。
① 伊方に向かう。前回見つけたスポット。 「伊方原発が爆発しませんように」と願かけた。
遠くに右から1、2、3号機。1,2号機は廃炉。3号機は9月30日で広島高裁の差止め命令が満期*となる。
MOXだしこのまま止まっていてほしい。
(*9月25日に広島高裁異議審で高裁決定が取り消された)(写真の右に伊方原発が見えるのだがUPの関係で切れているみたい。
macなら写真をダブルクリックで引き出せば見えると思う)
② 伊方原発 左から1,2,3号機。よくもまあ、こんな狭い所に原発3基も造ったもんだ。
狭すぎて話にならん。手前の7階建ての建屋が免震総合事務所。免震に欠陥があり、
追加で造ったのが、2号機と右水タンクの奥に(犬小屋ほどの)耐震緊急時対策所EL32。
免震ではない。
これが緊急時対策所 正面タンクの後ろにある。パラボラアンテナがある。タンクの左手が空気ボンベ置き場。竜巻対策はされていない。川内原発が免震棟でOKで続く四電も倣った。こんなに小さい建屋(犬小屋風)なのに免震棟に出来ないはずはない。あればいいだけのおざなりだ。(2018年春撮影)
③ 3号機 南の斜面は急峻ご覧の通り。で写真外の左南斜面から1号トンネル(後述)が北斜面に抜ける。3号炉へのアクセス路確保の為と言う。全国でも構内にトンネルがあるのは伊方だけ(多分)。しかも急斜面の上に重油タンクと受電設備がある。それへの送電塔が林立。
④ 1号機 廃炉決定済。茶筒型の中に格納容器がある。「安全神話」で放射能は出ないことになっていた為、排気塔は茶筒の内側にセコく隠していて見えない。鉄製格納容器の天はむき出し。ところで1号機は廃炉の為、停止中なのだが写真左下の鉄製煙突から白煙が出ている。なんでだろう。
⑤ 3号機 広島高裁に9月30日まで運転差し止めを命じられていたのを9月25日に同じ広島高裁が破棄。
で現在燃料は装填済み。四電は10月27日稼働を目指している。だが、
写真の通りまだあちらこちらで工事中。大型クレーンが4台もブームを伸ばしている。
でも平気で原子炉起動するつもり。あと1年稼働すれば初のMOX使用済み核燃料の誕生。無理だらけ
⑥3号機 空冷式非常用発電装置車 左手にもう一台あるのだが見えない。2台の間に防火壁も無い。2台とむき出し。火山灰、竜巻対策も特にしている風にない。あれば良いがミエミエ。改善されていない。車の上に丸い腕木(片方しか見えないがTバー状で二台の上に伸びる)は監視カメラ?
奥の扉が開いているのが補助建屋への入り口 左のシャッター口が原子炉への入り口か。弱点。
⑦1号トンネル(第一発見者は多分コロラド先生)昨年開通 3号機への万一のアクセス確保の為と言う。斜面が崩落するからだろうがそれ自体が危機。原発構内にトンネルがあるのは伊方だけか。原発のどこをほじくっているのか今日も緑色片岩を積んだダンプが通る。危険でトンネルが必要な原発はイラン。
⑧1号トンネルの上の状況 ここは山の谷で土留めの堰堤がある。山土でサクサク。土留めの矢板が打ち込まれ、それでも不十分で水平にも土留めをしている。よほど崩落し易いのだろう。左の斜面が崩れたらトンネルは使えない。伊方原発はこんな軟弱地盤にある。右の送電塔の地盤もそうだ。
⑨ 伊方原発は佐田岬半島(ダメージゾーン)の尾根下左手にある。上右からキララ館、四電の原発宣伝館、少し左下にヘリポート 原発緊急物資輸送用。県の施設、住民の避難にもと言うがあてに出来ない。木を切り払ったため当然下の斜面が緩んだ。ビニールシートの場所
⑩ ビニールシート 水を抜くための黒い4本の排水管が見える。
シートで覆わないと雨で崩落するのだろう。中心にはレールが敷かれている。人も乗れる機材運搬機がある。上道のガードレールは外され、仮設か事務所、トイレも設置されている。
⑪ ボーリング調査中だ。 この斜面はセメントを吹き付けたくらいでは解決しなのだろう。右に側溝が見える。この辺りはみず道か。四電社長は伊方は水は出ない。核汚染水は出ないと言ったが、尾根から下る水の量は相当なものになるはず。尾根の下にある集落の井戸は充分に水が出る。
⑫ 2号トンネル(第一発見者はコロラド先生?)3号機の南斜面、左クレーンの斜め右上にある。車は通れないが人は通れる。鉄パイプ足場があるだけで、なんの為のトンネルか。肉眼ではまず見つけられない。
アンカーだらけの軟弱斜面。工事中で 生コン車に生コン圧送車。 気になっていた場所。
⑬ 2号トンネル 拡大写真 十分人は立ったまま通れる。なんの為か?
進入路はまだ何も出来ていない。写真をよく見てください。トンネルのまわり、右上の白いアンカー、セメント吹き付け、あらゆる所から水が滲みではじめています。これは異常。伊方はF1の様に汚染水は出ないと社長が言いましたが、これでは出ますよね。
⑭ 2号トンネル 水滲みが酷い。トンネル手前の地面は掘り下げられ
基礎やり直し中で左下新たに鉄筋が組まれ水止めの分厚い壁の構築中。これは大変。防水壁を作っても、水処理をしないと地盤が緩み耐震力が落ちる。どうする四電?しかもここは強固な地盤ではない。
⑮ 2号トンネル 拡大した。これでよく分かる。鉄筋の太さが半端ない。アンカーは埋められるから、増し締めはもう出来ない。(もともとしないのかは不明)基礎は緑色片岩まで掘り下げたか? ということはその基礎より上は山土の軟弱地盤か?
こんな急傾斜地が3号機の間近にある。とはね。3号機への緊急時のアクセス確保に1号トンネル掘った訳だ。でも、こんな対策で3号機が安全になる訳はない。
⑯ 軟弱斜面からの水漏れが止まらない。軟弱斜面に水平に打ち込んだ崩落防止の巨大アンカーからの水漏れ。ここはヒドイ。作業員がさてどうしたものか?と覗き込んでいる。為す術ないだろう。これもセメントでそのまま覆うのだろうか。
⑰ 構内で ボーリン調査をしている。左下はたしか2号機の受電設備 前道路の南側で調査中。何の為だろう? ボーリング機の後ろの斜面が水漏れしているからか? 今回初めて見つけた。右が1号トンネル側。左が3号機側。あと1ヶ月で稼働する原発構内がこんな工事をあちこちって危ない話
⑱ 建屋建設中 3号機の手前 直流電源装置が3セットというが、
それにしては大きい建屋だ。この建設工事も続けながら3号機があと1け月で稼働する。
盛んにコンクリート打ち込み中。ミキサー車が次々と来る。右に3号機への入り口が2つ見える。危ない話
⑲ 碍子洗浄水タンク(定)格容量450(t)1号トンネル手前の鉄塔の後ろにあった。火山灰対策用か。でもどうやって洗浄するのだろう? 鉄塔の碍子には自動洗浄用のノズルは見当たらない。そもそも急斜面路がある構内、車は火山灰が積もればスリップで走れない。
⑳ 緑色片岩 伊方原発すぐ上の露頭
四電は硬いと言うのだが、ここ佐田岬半島は中央構造線のダメージゾーンの為、ここの緑色片岩はダメージを受けている。層をなす片岩が縦に斜めに亀裂が走る。手でもポロリと取れる。墓石にもならない。硬いかもしれないが強固な原発用岩盤とは言えない。
㉑ 三崎半島の尾根から流れる水は絶えない。
【 まとめ 】
よくもまあ、こんなところに原発3基も作ったもんだ。
キチキチでご覧のように核汚染水を貯めるタンクスペースはない。
四電は
F1のように核汚染水は出ないと言うが、湧き出る水は意外と多い。
その湧き水に四電は今、手こずっている。
今、伊方原発は3号機が残るだけ。
3号機だけではこの伊方原発を維持できない。
採算は合わない。
プルサーマルでプルトニウム消費というが、焼け石に水。
一民間企業がやることではない。
伊方原発は廃炉しか道はない。
注)個人の感想です。
by setonokaze | 2018-10-07 23:05 | 原発