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伊方原発3号機にベント設備他 それで再稼働させるつもりは危うい。

伊方原発3号機にベント設備他 それで再稼働させるつもりは危うい。

四国電力は11月5日追加の安全策を発表した。
原子炉格納容器内の圧力が高まった際に、
損傷を避けるため蒸気を外部へ逃がす「ベント設備」を
新たに設置。2015年度末までに完成させるという。

ベント設備について、
四電はこれまで、伊方原発は加圧水型原子炉で、
福島第1原発の沸騰水型原子炉とは構造などが違うため、
必要ないとしていたが、
万一の事態に備え、設置を決めた。
設備には放射性物質の放出を低下させるフイルターを付ける。という。
1.2号機にも設置するが時期は未定だと。

以上、ベント関係だけ、他の安全策は別に考察予定。
以下 【 】 内は読み飛ばして下さい。

考察1 なぜ、今までベント設備がなかったのか?
【原子炉に異常が生じ、圧力が高まり、危険が生じると、破裂する前に、圧力を逃す。ボイラでは安全弁が設けられていて、設定圧以上になれば、自動的に作動し、ボイラの爆発を防ぐ。原子炉にも、安全弁は同じく、ある。
普通、ベローズ式で、自動で開くはず。(はずと言うのは、原発の安全弁の型式について、ググったが、まだ見つけられていない。)実際、F1では原子炉は、自動で原子炉の安全弁(または、安全弁に準じる装置)が作動した様だから、原子炉は壊れなかった。その代わり、安全弁から、逃がされた水蒸気、気体、特に、大量に発生した水素ガスが収納容器に溜ることになった。それにより、原子炉格納容器では、高まった圧を安全に逃がすことが出来ず、爆発。
(水素爆発は高まった圧を安全に逃がせなかったため。)            (参照1)

原子炉の、格納容器なのだが、原子炉から放出された、水蒸気、気体、水素ガスにより圧力がまる。
原子炉収納容器と言うが、これは、巨大な圧力容器。
民生品なら、第一種圧力容器に相当するはず。
自動的に圧を逃がす、安全弁は必ず設けなければならない。F1では後付けでベント弁が付けられていたが、自動で作動するものではなかった。
手動でもベント弁がなかなか開かず大惨事となった。】

原発は特別ルール。                  (参照2)
原子炉格納容器には自動で開く安全弁はなかった。
ベント設備も必修でなかった。
事故るのは当たり前。


考察2.  ベント設備は安全を保証するものではない。
四電は、ベント設備を設けるから、絶対安全だというのだろうが、
絶対安全はあり得ない。             
今、求められているのは、安全神話ではない。

【F1でのベント失敗を四電がどこまで検証したかは、まだ不明だが、
報道からでは放射性物質を低減させるフイルターを付けるとある。
F1のGEマークⅠ型原子炉では水をくぐらせて、放出するベント設備であったが、
正常に作動しなかった。想定外との事故後のいい訳である。
手動でベント弁を開けようとしたが、高線量で弁のところまで第2陣は行き着けず、引き返した。
スイスのような高線量下でも、放射線を遮断する対策をした安全対策をとるのだろうか?】

考察3.  原発事故時の費用の負担。
東電は10月6日追加支援を政府に要請する方針を固めた。
除染や敗炉にかる費用が10兆円規模に達する可能性があり、
単独で負担するのは不可能と判断した。税を注ぎ込むことになる。
以前は、廃炉に1兆円を超えるかと言われていたから、
1年位で廃炉だけで10兆円を超えると言われている。
いや、20兆円、30兆円かもしれない。
いくらかかるか今の時点では誰にも分からないのが、本当のところだろう。

もはや、ベント設備を設けた位で、原発を運転してもよいとは、誰も、言えない。
四電が、自己責任で伊方原発を動かし、万一、福島のような事故を起こしても、
税は びた一文使わない。自社で与えた損害も、廃炉の費用の負担も四電単独で出来ますと言うなら、
又別の話になるのだろうが。
チェリノブイリの例を見ても分かるように、伊方原発が爆発したら、
四電1社で負担できるものではない。
更なる税の負担は、途方もない金額となる。

考察4.  ベント設備の危うさ。
誤って、ベント弁が開いたらどうするか? 今までは、誤ベントのリスクがあるので、
ベント弁は設けない。としていた。                 (参照3)
今回、四電はあっさりと、ベント設備を設けると言う。
誤ベントの検証はしっかりしたのだろうか?

F1では誤ベント防止のため、ベント弁の先にレプチャーヂスク(破裂版)を設けていた。
間抜けな話である。
その為にベント弁を開いても、ベントが出来なかった。
この問題の検証は済ましたのだろうか。報道からでは分からない。
これははやい話、ベントしても、放射能が飛び散らないようにめくら蓋をしたことになる。
この事はほとんど報道されていない。


次の事故を起こす前に原発はやめたほうがいい。











注)個人の感想です。
参照1. 当ブログ 18. 福1原発はベントになぜ失敗したか 2
http://lituum.exblog.jp/19279826/
    当ブログ  17. 福1原発はベントになぜ失敗したか 1  ラプチャーデスク
http://lituum.exblog.jp/19230645/
参照2. 原子炉に関する法令一覧 http://hourei.hounavi.jp/word_原子炉/
参照3. 1989/7/6  日本経済新聞 夕刊  
【ワシントン五日=滝記者】米原子力規制委員会は五日、米国内で運転中の「マーク1型」原子炉 
同委員会によると対象となる原子炉は米国に二十四基ある。一律に設置を定めるのではなく個々
の原発の事情を考慮して電力会社が設置するかどうか判断する。
について格納容器に圧力緩和用の緊急通気弁を取り付けることを承認した。
内田秀雄原子力安全委員会委員長の話 
炉心溶融など重大事故に対する一つの対策として格納容器に圧力通気弁を付ける方法は一九七九年の米スリーマイル島での事故以来、日本でも検討している。しかし事故が起こる確率から考えた必要性と、まちがって弁を開いてしまう危険性などをよく比較検討する必要がある。対策には他の方法も考えられており、立地条件や管理体制からみて、日本の同型の原子炉ですぐに米国と同じ対策を講じる必要はないと思う。
引用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
               四国新聞 2012.11.6
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当ブログ
19. F1の放射能汚染水はいずれ、太平洋に放出するつもり。http://lituum.exblog.jp/19381577/
18. 福1原発はベントになぜ失敗したか 2 ラプチャーデスク http://lituum.exblog.jp/19279826/
17. 福1原発はベントになぜ失敗したか 1  ラプチャーデスク
http://lituum.exblog.jp/19230645/
16. 原発はもう無理 GEの発言 原文も http://lituum.exblog.jp/18757169/
15. 原発危険度ランキング http://lituum.exblog.jp/18506839/
14. 原発があやういわけ 2 http://lituum.exblog.jp/18249283/
13. 原発があやういわけ 1 http://lituum.exblog.jp/18241083/
12. 福島原発のゆくすえ http://lituum.exblog.jp/18204895/
11. 2022までに脱原発 ドイツの決断 現地からのレポート 
http://lituum.exblog.jp/18025076/
10. 東電のはかない抵抗 2  http://lituum.exblog.jp/17907197/
9. F1ベントによる水素爆発は排気系に欠陥。2 http://lituum.exblog.jp/17739282/
8. F1ベントによる水素爆発は排気系に欠陥。1 http://lituum.exblog.jp/17732945/
7. 原発は中性子照射で旧式ほど劣化 http://lituum.exblog.jp/17721565/
6. 福島第1原発5号機の配管強度不足? http://lituum.exblog.jp/17714883/
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3. 日本の原発はなぜ不安全なのか。http://lituum.exblog.jp/17647834/
2. 伊方原発の四電社長見通しは甘い。http://lituum.exblog.jp/17409176/
1. 東電のうそ http://lituum.exblog.jp/17148675/

  by setonokaze | 2012-11-07 23:22 | 原発

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